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(6)街路樹編#3 温室効果ガス
地球温暖化と温室効果ガス、緑の環境を考える
グローバルで地球環境をどうにかしないといけん的な、たいそう大げさなタイトルを付けてしまいましたが、身近な街路樹を例に簡単に説明します。
この数年、地球温暖化の問題がとりざたされ、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが、その原因ではないかと言われています。つまり、二酸化炭素などが地球を覆い地球の放射熱を逃がさないため地球の温度を上げていると言うのです。
[社団法人 日本造園建設業協会のリーフレットより]
原因が二酸化炭素ならそれを一番吸収してくれるのは、光合成を行なうことができる、植物たちです。小学校の理科の時間植物は、二酸化炭素を吸って水と光のエネルギーを使い、デンプンと酸素を作る、そう習いました。

化学式に直すと、
6CO2 12H2O 光エネルギー C6H12O6 6H2O 6O2
(二酸化炭素)   (水)       (グルコース)   (水)   (酸素)

二酸化炭素が葉から吸収され、それが木の体をつくる細胞(炭水化物)となり固定され、酸素を放出するのです。
ここからが私の疑問、このように二酸化炭素を炭素の形で固定してくれる樹木に対してエコポイントがつかず、二酸化炭素を排出する自動車、家電などの省エネ対策の施されたものにはエコポイントがつくことが不思議で納得がいかない事でした。
皆さんはどう考えますか?
それでは旭川市では概算でどれぐらいの二酸化炭素を街路樹が固定しているか計算してみましょう。
旭川の街路樹は約45,000本、弊社担当の中央地区だけでも約11,000本の街路樹が有ります。11,000本の平均の太さ(地上から約1.2m高さの幹回)幹周は約58pです。直径(胸高直径)に直すと約18.5cm、計算しにくいので19cmとします。
胸高直径19cmの樹木が1年間に固定する炭素の量は9.64kg-C/本・年、二酸化炭素の吸収量は25.54kg-CO2/本・年[(社)道路緑化保全協会(2002)緑の情報シートより]
それでは、旭川市の街路樹ではどれぐらいになるでしょう。
炭素の固定量
45,000本 × 9.64kg-C/本・年 = 433,800kg (433.8t) 
二酸化炭素の吸収量 (20度、1気圧での1kgのCO2体積はおよそ550L)
45,000本 × 25.54kg-CO2/本・年 = 1,149,300kg (1149.3t)
1,149,300kg × 550L = 632,115,000L (500mlのペットボトルで1,264,230本分)
どうです街路樹けっこう頑張っているでしょう! 街路樹の底力見直しましたか?
このほかに公園などの樹木も計算にいれるとものすごい量になります。
でも、東京などの大都市圏とくらべると旭川の街の緑はまだまだ少ないと感じるのは私だけでしょうか。